インプラント症例報告vol.9(上顎All-On-4)
60代男性。上顎のすべての歯がグラグラし物が噛めないためインプラントを希望し来院。最初に抜歯を先行し、紹介元の歯科医院で一度即時義歯を作製してもらった後、早期に静脈内鎮静麻酔下に傾斜埋入を伴う4本のインプラントを埋入(いわゆるオールオン4)。手術当日に型取りを行い、早期に仮歯を装着。傷の治癒をみながらかみ合わせの調整や、歯磨きなど管理のしやすいように顎堤(歯肉)および仮歯の形態修正を行っていき、形が決まったところで最終補綴物(ジルコニアというセラミック)を装着しております。インプラント埋入から完成まで比較的時間がかかる理由は、この仮歯を理想的な形態に修正する作業に時間を要するためです。仮にこの作業を簡略化し短期間で完成にしてしまうと、歯肉やそれに接触するインプラントの基底面が凸凹してしまうため、汚れが貯まりやすかったり、隙間から空気や水が漏れるような不快な補綴物となってしまいます。費用も高額になる分、治療の難易度が上がると共に、より手間がかかる治療とも言えます。